プロが解く女性と鍼灸②【冷え】 冷え性のタイプ診断と、筋肉量との関係を知る

 カテゴリー:鍼灸で全身ケア
冷え性と鍼灸

40~50代女性のこころとからだの調律と美容はり専門、西宮・甲子園・鳴尾 美容・鍼灸サロン ハミングです。

あなたは体のどこに冷えを感じますか?「冷えは万病のもと」なんていいますが、「冷え」は、「寒い」「冷たい」だけでなく、体にさまざまな不快な症状をもたらします。そんな女性の大敵「冷え」。実は、いくつかのタイプに分かれます。

目次

女性の冷え性は、筋力量とライフスタイルが原因?

「冷え性」は、なんと女性の8割以上が悩まされているという統計もあるほど。一方、男性の冷え性はおよそ4割。どうして、女性に「冷え性」が多いのでしょうか。

さまざまありますが、「冷え性」の原因は主にこの2つです。

・体内で熱をつくれない
・体内に熱を配れない

体内で熱をつくり、その熱は血液と一緒に体の末端まで均等に運ばれます。これが健康な状態です。しかし、過度のストレスがあると自律神経の交感神経が優位になり毛細血管が収縮します。そうなると体の末端まで血液を届けることができず、熱を配れなくなります。

鍼灸と冷え性

運動不足による筋力低下も原因のひとつ。

筋肉は熱をつくるのにも配るのにも大きな役割を果たしています。女性はそもそもの筋肉量が少ない上、男性とくらべて脂肪が多いことも「冷え」の原因です。

筋肉は、40~60代で年0.5パーセントずつ、60代以降はなんと1%ずつ減っていきます。閉経後の女性の肥満のピークは60歳。40代にくらべ基礎代謝が1150キロカロリーから1100キロカロリーに減少し、運動しないでいると体重は1年間に2.6キロ増える計算です。また60歳前後では、筋肉量低下による不定愁訴なども起こりやすくなります。

筋肉は、姿勢を維持する背中や太ももの抗重力筋から落ちていきます。「定期的に運動して筋肉を貯金しておきましょう」というのは、この理由ですね!

(さらに、入院や病気で寝たきりになると、筋肉は1日で1~1.5%も減ってしまいます。手術後は歩きましょう、運動しましょうといわれるはずです…)

ほかにも、ダイエットのための偏った食生活、タイトな服の締め付けによる血行不良、貧血なども「冷え性」が女性に多い理由です。

冷えは、免疫力低下のもと

つまり、冷えの主な原因は筋力低下と血行不良です。そこから肌荒れ、頭痛、腰痛、生理痛、むくみ、冷えのぼせ膀胱炎、トイレが近いなどの症状があらわれることがあります。血行不良から体のエネルギー不足になり、だるさや気力の減退など、心の活動レベルも落ちやすくなります。

あなたの平熱は何度でしょうか?
体温が1度下がると、免疫力が下がることが分かっています。

【健康体】
36.5度以上・・・新陳代謝100%、理想的な体温
【低体温】
35.5度以上・・・自律神経の乱れ、むくみ、肥満、排泄機能低下
35度・・・代謝10%以下、ウイルスの動きが活発化

現代人には低体温が多いといわれています。「単なる冷え性だし、我慢さえすれば大丈夫」と思わず、じっくりと向き合ってケアしましょう。

鍼灸と冷え性

<西洋医学> 4タイプの冷えと、タイプ別改善方法

ここまでは、すべての方にいえるお話でした。ではここからは、それぞれの冷えのタイプをみていきましょう!

まずは西洋医学の視点から、「冷え」を分類してみますね。

西洋医学では「冷え」を感じる場所によって4つのタイプに分類されます。それぞれ、手足足先が冷える①「四肢末端型」、腰から下が冷える②「下半身型」、お腹が冷える③「内臓型」そして、全身が冷える④「全身型」です。

それぞれの「冷え」が組み合わさった形であらわれる方もいらっしゃいます。

  四肢末端型

若い女性に多いのがこのタイプです。ダイエットのために食事の量を極端に減らしたり、運動不足などの生活習慣が原因。交感神経が過剰に働き、手や足先の血管の収縮によって起こります。改善にはバランスのよい食事と適度な運動で筋肉量を増やすことが大切です。

【部位】手先や足先
【主な年代や体質】若いやせ型の女性
【主な原因】過度なダイエットや運動不足
【主な改善法】食事量をバランスよく増やし、適度な運動をする

②下半身型

30代以降の男女によく見られるタイプの冷え性で、腰から下で冷えを感じます。デスクワークなど長時間座った体勢がお尻やふくらはぎの筋肉を硬直させ、脚の血のめぐりを悪化させます。その結果、下半身が冷えます。いわゆる「冷えのぼせ」の症状を起こすのもこのタイプ。下半身の筋肉をほぐすようなストレッチをするとよいでしょう。

【冷える部位】腰から下の下半身
【主な年代や体質】30代以降の中年男女
【主な原因】デスクワークなどによる下半身に筋肉の硬直
【主な改善法】下半身の筋肉をほぐし、筋力を高める

③内臓型

30代以降の女性やぽっちゃり体系の方に多いタイプの冷えで、主に体質や交感神経の働きが弱いことが原因です。手足は温かいが、下腹部や二の腕が冷えます。食べ過ぎや冷たい飲食物に注意して、胃腸の働きを活発にしましょう。

【冷える部位】下腹部や二の腕
【主な年代や体質】30代以降の中年女性、小太りの人
【主な原因】生まれつきの体質
【主な改善法】食べ過ぎに注意

④全身型

若者や高齢者に多く見られる冷えのタイプです。季節を問わず、寒さを感じます。1年を通じて冷えを感じるため、自覚症状がない場合もあるので注意しましょう。ストレスや生活習慣の悪化によって、基礎代謝が低下し、体内で熱を生み出せないことが原因です。食事のバランスに気を付け、適度な運動をおすすめします。

【冷える部位】全身
【主な年代や体質】筋力が少ない若い女性や高齢者
【主な原因】ストレスや生活習慣の悪化による基礎代謝の低下
【主な改善法】食事のバランスに気を付け、適度な運動をする

鍼灸と冷え性

<東洋医学> 4タイプの冷えと、タイプ別改善方法

次はいよいよ、東洋医学からみた冷え性のタイプです。

東洋医学には「気・血・水(き・けつ・すい)」という概念があります。この3つがバランスよく体中を巡っていることが健康であるための必要条件。それぞれ、「気:身体のエネルギー  /  血:栄養や血の巡り  /  水:潤い」を表しています。

冷え症はこれらのバランスが崩れてしまったことで引き起こされたものと考えます。だから「冷え性」も単なる「冷え」としては捉えません。体全体を見て、「気・血・水」のどれが、どこでどのようにバランスを崩しているのか、を調べます。いくつかの状態が重なっている方も多いです。その上で最も適切な改善方法を考えるというのが東洋医学の冷えへのアプローチです。

タイプ①  気血両虚(きけつりょうきょ)体質

全身の「冷え」だけでなく、クヨクヨと元気がないこともこのタイプの特徴。「気」が不足しています。そのため、体内で熱を生産できず、新陳代謝も低下。食欲や気力も失われ、倦怠感や疲労寒を感じます。

【主な改善方法】
栄養をしっかり摂り、軽めの有酸素運動を始めましょう。まずはウォーキングからスタートするのがおススメ。
このタイプの方は、有酸素運動としての早歩きよりも、マイペースで空やお花など自然を楽しみながら歩きましょう。気力がアップして
血流もアップし、身体が温まります。

【自分でできる改善ポイント】
朝の散歩 / 睡眠を十分にとる / 冷たい飲食物を避け、胃腸を冷やさない / 汗をかきすぎない

タイプ②  気滞うっ血(きたいうっけつ)体質

手足の「冷え」と、クヨクヨイライラすることがこのタイプの特徴です。日常生活でのイライラや、怒りをため込むというようなストレスから、「気」の流れが滞ったことが原因です。「気」の巡りが悪くなると同様に「血」の流れも滞り、血行不良を引き起こします。

【主な改善方法】
まずは思い悩むことを少しずつ減らしていくことが大切。気持ちを外へばかり向けず、一度自分とも向き合いましょう。心も体もおおらかに大きく動かして。気持ちが晴れやかになりますよ。

【自分でできる改善ポイント】
プラス思考を心がける / とにかくリラックス / 散歩してリフレッシュする /ストレスをためこまない

鍼灸と冷え性

タイプ③  肝陽亢盛(かんようこうせい)体質

下半身は冷えていますが、上半身は熱いのがこのタイプの特徴。怒りっぽいです。スマホの使い過ぎや考えすぎで自律神経が乱れています。頭に血が上っており「気」がうまく巡っていません。顔のほてりは「冷え」とは気づきにくいので要注意。「気」を全身に巡らせていく必要があります。

【自分でできる改善ポイント】
香辛料の強い食べ物を避ける / 酢の物を積極的に食べる / ウォーキングで下半身の筋肉を鍛える

タイプ④ 食積痰湿(しょくせきたんしつ)体質 

日常的な食べすぎで老廃物が体内に蓄積し、体が冷えるタイプです。食べたものの消化を強化するため、血液が胃腸に集中します。すると筋肉やほかの器官への血液供給が減り、十分な熱生産ができず、老廃物の排出が滞ることになってしまいます。体内に不要な水分がたまると冷えやすくなるため、注意が必要です。

【自分でできる改善ポイント】
腹7分目を心がけて / バランスのよい食事を目指す / ウォーキングで筋力UP / 腹式呼吸

冷え性改善への第一歩は、基本的な生活習慣

食事・運動・睡眠という生活習慣の中でも実践していただきたいのは、「ウオーキング」「小食」「平常心」の3つ。ここまで筋肉の大切さを書いてきましたから、ウオーキングについては理解いただけると思います。

冷え性にはウオーキング

「平常心」とは、起きたできごとに振り回されない、おだやかな心のこと。かたよることがない、バランスがとれたフラットな心の在り方をいいます。過小評価もせず過大評価もせず、客観的な目線でみているときの心ですね。

いいかえると、「なんとかなる」という根拠のない自信からくる、安定した心です。「何があっても大丈夫」と、サムシング・グレート(大いなる存在)にお任せしちゃえば、平常心は保てやすくなりますよ。

それから、今あることに感謝する「足るを知る心」も必要です。心のさざ波がおだやかになったときの安心感は、体のあらゆるバランスを整え、自然治癒力を発揮してくれます。

食事も大切です。胃腸に疲れがたまると、消化吸収が悪くなり、エネルギーが少なくなるため、体内で熱を発生させることができなくなります。どのような食材がいいですか?と聞かれることもありますが、すべての方に合う食材はなかなかありません。特に東洋医学では体質別に食材をおすすめしています。体質別のおすすめ食材は、以下の記事に詳しく記載していますので、参考にしてみてくださいね。

プロが解く女性と鍼灸①【食養生】 6つのタイプ別:症状を改善する食材解説!

福原からのアドバイス

東洋医学の考え方に基づき、「気・血・水」がきちんと巡るように施術するのが、ハミングの「冷え性」改善へのアプローチ。手や指先、足などの冷えを感じる箇所を温めても、根本的な冷え性対策としては十分ではないと考えています。

お客様としっかりカウンセリングさせていただき、どこが原因の冷えかを見極めた上で、適切な場所をはりやお灸で刺激し、自律神経を整えます。また、コリや痛みを取り除き、血液の流れを回復させます。

きっと「温める」だけでは感じられない効果を実感していただけると思います!はりが不安な方は「ささないはり」を使用させていただきます。お客様ひとりひとりのご要望にしっかりおこたえできるのが、ハミングのよさのひとつです。

 

最新セミナー・情報はこちら

症状別セルフケアのヒント

首・肩こり腰痛月経・更年期・自律神経の乱れ生活習慣改善・ダイエット美顔、小顔、エイジングケア

お電話で料金やメニュー等に関するご質問やご相談はこちらからお気軽にどうぞ。

お問合せフォームはこちらから

講師・講演依頼受付中

お問い合わせは、お気軽にお寄せください。
※講師料・講演料は、こだわりません。
※交通費の実費(遠方の場合は宿泊費)はご負担をお願いしております。

アクセスマップ

営業日・営業時間

10~18時(最終受付16時)土・日・祝 月2回営業します。ハミングは女性専門・完全個室・完全予約制です。必ず事前のご予約をお願いいたします。
予約空き状況  〇予約可能 ★予約終了

Facebook

LINE始めました

友だち追加
LINEで質問OK!
40代からのセルフケアのヒント配信中です