40~50代女性のこころとからだの調律と美容はり専門、西宮・甲子園・鳴尾 美容・鍼灸サロン ハミングです。
「デトックス」は女性にとってなじみのあることばですが、あなたは何をイメージしますか?
スムージーやファスティングでしょうか?
今日は東洋医学の観点からみたデトックスについてお話いたしますね。
「デトックス」の語源は英語の detoxification(解毒)。体内に溜まってしまった毒素を何らかの方法で体外に排出することです。ここには西洋医学と東洋医学の違いはありません。注目すべき違いは「何を」排出するか、ということです。
目次
西洋医学 デトックスするのは体の「さび」や「こげ」
西洋医学での「デトックス」が体から排出するのは、「さび」や「こげ」。
「さび」は体の「酸化」、「こげ」は「糖化」を意味します。このふたつは老化と病気の原因になりますから、ぜひともデトックスしたいですね。
【酸化】 体がさびること
切ったリンゴを想像してください。ずっと置いておくと茶色く変色しますね。これは、リンゴに含まれる成分が空気と触れることにより酸化したため起こる現象です。同じことが体の中でも起こります。
私たちの体の中には、活性酵素が存在します。これは「ほかの物質を酸化させる力が非常に強い酵素」で、細菌やウイルスを撃退する役割があります。しかし活性酵素が増えすぎると、正常な細胞や遺伝子を酸化させてしまい、老化や動脈硬化、がんの原因になる場合があります。リンゴを茶色く変色させたのはこの「活性酵素」です。
「活性酵素」は食生活の乱れやたばこ、ストレス、紫外線などで増えてしまいます。
体をさびさせないためには、バランスのとれた食事、適度な運動、十分な睡眠が大切です。また、活性酸素を抑える抗酸化作用のある食材を意識して食べることもおすすめです。「若返りビタミン」と呼ばれるビタミンEや、ビタミンCには細胞の酸化を防ぐ働きがあるといわれています。ビタミンEはナッツ類や大豆、ビタミンCはトマトやイチゴに多く含まれていますよ。
【糖化】 体がこげること
次はクッキーやホットケーキを思い浮かべてみましょう。小麦粉と卵や牛乳、砂糖を混ぜたものを焼きますね。そこにはたんぱく質と糖がたっぷり含まれています。焼くと、こんがりと茶色く焼き色が付くはずです。
糖化はこれが私たちの体の中で起こることです。ホットケーキならとてもおいしそうで食欲をそそられますが、体内の焦げは健康にとってプラスになることはありません。
糖分や脂肪分の多い食事ばかりだと、体の中で不要な糖とたんぱく質が結びついて、老化を促進する物質を作り出してしまいます。その物質が細胞を劣化させ、肌のシワやくすみ、シミなどになります。
糖化を避けるには、まずは体の中に余分な糖分をため込まないこと。もちろん糖は大切なエネルギーですが、摂りすぎは厳禁。キノコや野菜など食物繊維の豊富な食材を積極的に食べるようにしましょう。クエン酸やポリフェノールも糖化の予防に有効だといわれています。酢の物や緑茶などもおすすめですよ。
そして、やはり適度な運動をすること。筋肉量が多いと血糖値の上昇が緩やかになります。高い血糖値は糖が余るもとです。血糖値は低いことに越したことはありません。気軽なウォーキングからでもOKです。ぜひ、日常生活に取り入れてみてくださいね。
「酸化」と「糖化」が老化と病気の原因になると、イメージできましたか?
これをファスティングなどでリセットし、健康とアンチエイジングを目指すのが西洋医学のデトックスですね。
東洋医学がデトックスするのは、「体の湿気」
では、一方東洋医学は何をデトックスするのでしょうか?それは、体の「湿気」です。
体の湿気と聞いても、いまいちピンとこないという方、いらっしゃると思います。東洋医学では体も湿気ると考えており、その湿気からさまざまな症状が引き起こされるとされています。
イメージするのは、ずっと外に置いてある飴玉。そのままで置いておくといつのまにか飴玉がベタつきますよね。それは空気中の湿気と結びついてしまうから。この現象が体にも起こると考えてください。
東洋医学の「体の湿気」は、「痰湿」ともよばれます。
・頭や手足が重く、だるい
・やる気がでない
・めまい
・頭痛
・下痢
・むくみ
これらは湿気が原因になっているかもしれません。
「痰湿」の主な原因は日頃の食べ過ぎや飲みすぎです。この暴飲暴食により、消化不良が起こり、余分な水分などの老廃物が体内にたまった状態です。「痰湿」は肥満の大きな原因とも考えられています。食べ過ぎがいけないのはもちろんのこと、痰湿で体の代謝が低下してしまい、いわゆる「痩せにくく太りやすい体質」になってしまうのです。
あなたは「痰湿」たまってる? 舌でわかるチェック方法
自分に「痰湿」があるかどうか気になりませんか?
特に甘いものが好きな方は要注意ですよ。
一番手軽にできる判断方法は、舌を見ること。舌で症状を見極めることを東洋医学では舌診(ぜっしん)といいます。舌から血液や水分代謝、元気かどうか、などさまざまな情報が得られとされています。
ちょっと自分の舌を見てください。白い舌苔がベッタリとくっついていませんか?ついている場合は、体の中の水分が過剰、つまり「痰湿」があります。(白い痰湿の他に、黄色くねっとりしている痰湿もあります。)
ハミングに来ていただくと、舌診だけでなく、日常生活のカウンセリングやお腹や脈などの状態を見て、総合的に判断します。もし、ご自身の状態が気になる方はぜひいらしてくださいね。あなたの体質にぴったりなアドバイスもご提案できますよ!
体の調子を自分で確認することの大切さ
「痰湿」をデトックスするには、まずは疲れた胃腸を元気な状態にしてあげることが大切です。胃腸の調子を整えるのにおススメなツボを紹介します。
◆足三里(あしさんり)
ひざのお皿のすぐ下、外側のくぼみに人さし指をおき、指幅4本そろえて小指があたっているところ
◆中脘(ちゅうかん)
お腹の真ん中にあり、みぞおちとおへそを結び二等分したところ
◆曲池(きょくち)
肘をまげたときにできる外側のしわの端っこ
ただし、上記のツボは代表的なものでしかなく、プロとして、残念ながら万人に合うとは言えません。それはお天気が毎日変化するように、女性にはバイオリズムがあり、体調は日々変化しているからです。
ベストは「そのときの体調によりそったツボ」選ぶことです。鍼灸治療のときには、脈や舌やお腹の状態をみて、その日にジャストなツボを決めていきます。ご自分でツボを選べるようになりたい場合は、日々ご自分の脈やお腹を触るくせを付けてみてくださいね。それから、歯磨きのたびに舌を観察してみましょう。
そして体調と観察を照らし合わせて、データを頭にインプットしていくこと!
そうすると、日々の観察の積み重ねから、不調の原因に自分で気付けるようになりますよ。
セルフケアで改善できる不調もあれば、治療が必要な場合もあるので過信はいけませんが、自分で自分の体の変化を見ることが「体の声を聴く」ことだと私は思っています。
一番おススメはウォーキングでデトックス!
東洋医学には「気・血・水(き・けつ・すい)」という概念があります。この3つが体を巡るときに通る道が「経絡(けいらく)」で、不調があるときは「経絡」の流れがスムーズではないとされています。
胃を巡る「経路」は実は足にあります。胃腸の働きを活発にするには、足を動かしましょう。胃腸の経絡が刺激され、胃腸の働きが整います。
そのために最初におススメしたいのは、1日10分のウォーキングです。
よく「健康のために1日1万歩」というスローガン、目にしますよね。もちろん、それが理想的です。可能な人はぜひ1万歩歩きましょう。でも、毎日忙しくしている方には少しハードルが高すぎませんか?
そんなあなたは、まず1日10分のウォーキングから始めてください。
ひとつだけ条件を追加します。それは「大股」で、ということです。
「そのくらいなら、できるかもしれない。でも効果あるのかな」と思いましたか?
そんな方はちょっとこちらを見てください。
・1日大股で10分間・・・1000歩ウォーキング(30kcal消費)
・1か月続けると・・・30kcal ×30日=900kcal →0.1kg減量
・半年続けると・・・30kcal ×180日=5400kcal →0.75kg減量
・1年続けると・・・30kcal ×360日=10800kcal →1.5kg減量
※1キロ減量には7200kcal消費が必要
今の生活にたった10分間のウォーキングを加えるだけで、1年間で1.5キロダイエットできるんです。これぞ、「ちりもつもれば」ではないでしょうか!
体の湿気をデトックスできて、さらにスリムにもなれるなんて、ウォーキングは一石二鳥です。あなたも今日から始めてみませんか?
福原からのアドバイス
西洋医学でも東洋医学でも、体内に溜まった不要なもののデトックスは、健康でいるためにとても大切です。
出す「もの」も、出す「方法」もいろいろありますが、いちばん気にしてほしいのは、それが続けられるかどうかです。健康情報を見て「やってみよう」となっても、三日坊主になってしまえば結果になりにくいですよね。
それより、毎日少しずつでも続けられる方法で、自分自身の体をメンテナンスしてみてください。エステやサロンに通うことも効果的ですが、日頃の食事や生活習慣、ウォーキングなど、自分でできることもたくさんありますよ!
体の毒素を出し切って、心も軽やかに過ごしましょう。