プロが説く女性と鍼灸④【更年期】東洋医学の対策と、手のツボをご紹介!

 カテゴリー:鍼灸で全身ケア
更年期障害

40~50代女性のこころとからだの調律と美容はり専門、西宮・甲子園・鳴尾 美容・鍼灸サロン ハミングです。

飛鳥時代、聖徳太子の時代にはすでに鍼灸が日本に伝わっていました。

鍼灸も東洋医学のひとつです。庶民は鍼灸などはまだ受けられない時代でしたが、国の中枢にいた聖徳太子なら、はりやお灸で病気を治していた可能性がありますよね。超人的な伝説が多い聖徳太子ですが、寝転んで腰や背中にもぐさを積み上げている姿を想像すると、妙に人間臭く思えてきませんか?

鍼灸は、ふるい時代から、私たちの体に寄り添ってくれています。そして、女性ならではのなんとなく不調に悩む方には、特におすすめのボディメンテナンス法です。

目次

鍼灸も漢方薬も東洋医学

さて、飛鳥時代にすでにあった鍼灸が実際に日本に伝わったのは、西暦500年代。中国大陸から、鍼灸と漢方薬が日本につたわりました。それから1500年、日本で独自の発達を遂げた鍼灸と漢方薬は、指圧・あんまとともに今に至り、漢方医学となりました。

そして漢方医学は中国の「中医学」と同じくくりに入り、日本では東洋医学と呼ばれています。

女性に多い「未病」

東洋医学は、陰陽と五行(木火土金水)を応用した、病気の治癒と予防を目的とした医学です。

東洋医学でいうところの「健康」とは、体の陰陽のバランスが少々崩れても、自分で回復させることができる状態。しかし体内のバランスの崩れの放置は、病気を呼び込みます。この、病気になる前の少し不調を感じている状態を、東洋医学で「未病」と呼びます。

西洋医学では検査結果をもとに病気が診断され、治療が始まりますが、検査値が正常なうちは「病気ではない」という判断になってしまいます。

東洋医学が、女性のなんとなく不調に寄り添えるのは、体内のバランスが崩れ始めた「未病」の段階で、対策が取れるからです。病気の前から対応ができる、そこが東洋医学と西洋医学の大きな違いです。

西洋医学でスルーされる症状もガッチリガード

鍼灸の施術現場では、「不調を感じて、内科や婦人科で診察を受けたけど、検査は正常値だった。でもなんとなく不調がずっと続いている」というお悩みをよくお聞きします。病院で「異常なし」と言われても、不調の自覚があればモヤモヤ感が続き、かえってストレスが溜まることもありますよね。

また女性は天気や気温による環境の変化の影響を受けやすく、40代以降は年齢による女性ホルモン変化もあり「女性特有の不調」が起きやすくなるのです。

そして怒りや、くよくよした心情、イライラ、うつなどの感情は、体内の気の巡りを調節する「肝」に影響を与えます。東洋医学では「心身一如」、つまりストレスも生命体の異常とみなしているのです。

ストレスと鍼灸

女性の体は7の倍数で変化、更年期に注意

東洋医学では、女性の体は7の倍数で変化すると言われます。7の倍数の、14歳、21歳、28歳。28歳までは体の機能は上がっていきます。そこから7年を経た35歳のあたりからが要注意。いわゆるプレ更年期の年齢ですね。

そして42歳、49歳、56歳…子どもがいる人であれば、もうすぐ子どもも独立します。一息付けるところまで、もうひとガンバりが必要な時。仕事をしていたら、昇進の話も出てバリバリ仕事をこなしたい時期でもあるはずですが…この大切な時期に、更年期がやってきます。

更年期の症状はさまざまです。

気が付かないうちに通り過ぎてしまうほど、症状の軽い方もいらっしゃいます。よく言われるのは、足元は冷えているのに、急に上半身が熱くなるホットフラッシュや、夜中に動悸で目が覚めてどうしょうもなく不安になるケース。イライラした状態が続く、体がだるいなど、病気なのかどうなのかがはっきりしない状態で我慢している人も多いはずです。

ここからは、更年期のセルフケアについて、いくつかご紹介していきます。

セルフケア① 体質に合った漢方薬

更年期をはじめとする、婦人科の悩みに効果があるといわれるのが漢方薬です。

漢方薬も東洋医学の一部です。西洋医学の薬とは異なり、自然の生薬(植物や動物、鉱物の性質を変えずにそのまま薬として加工したもの)を調合してつくられます。効き目が穏やかで副作用が少ないため、慢性の病気の改善に使われることも多いのですが、風邪をひいた時に飲む葛根湯など、即効性のある薬もあります。

漢方薬で大切なのは、体質と症状に合わせた薬を選ぶこと。漢方専門医では、同じ症状でも人によって異なる薬が出されたり、逆に症状が異なっても、同じ薬が出される場合もあります。

最近はドラッグストアでも漢方薬を購入できますが、自己判断で購入すると体質にあっていない薬を飲んでしまう可能性があります。漢方薬で症状の改善をはかる場合は、漢方専門医に相談してみてくださいね。

更年期と鍼灸

セルフケア② 東洋医学の養生

東洋医学の考え方では、人も自然と同じサイクルで体を養生するとよいとされています。

・じっとしていないで体を動かす ⇒ 適度な運動
・夜は眠り明るくなったら起きる ⇒ 規則正しい睡眠
・自然の恵みの旬の食材を程よく食べる ⇒ 旬を大切に
・心の整理整頓をする ⇒ 感謝の心、足るを知る心(あるものをみつけて喜ぶ心)を持つ。心が喜ぶストレスケアを見つけて実践する

以上が、東洋医学でいう養生の基本です。

春夏は成長のため「陽気(体をめぐる気は陽に属するため陽気と呼びます)」を取り入れます。そして、秋冬は貯蔵するように「陰血(血は陰に属するため陰血と呼びます)」をためるのが自然の摂理に合っているのです。

適度な運動で、体を動かす力となる「陽気」を取り入れ、睡眠をとり、栄養を運ぶ血液である「陰血」を養いましょう。

体操やウォーキングは、関節を柔軟にし、筋肉を付け、運動によって血行を促して体を温めます。ハードな筋トレや、ランニングでなくても大丈夫。1日15分くらいの運動の継続で、体は元気になっていきます。

睡眠のゴールデンタイムは22時~2時。この時間はぐっすり眠れるよう生活を整えることが大切ですね。

食養生

セルフケア③ 旬の食べ物があなたを救う!

食生活の基本は、旬の食材を食べること!

春に気分がすぐれないときや、ストレスが多いときは、「陽」のパワーを取り込むために春に伸びる野菜を食べましょう。夏は、体にこもった熱を冷ましてくれるスイカやきゅうりなどの夏野菜。寒くなり風邪をひきやすい季節には、ショウガやネギといった発汗作用のある野菜が体を助けてくれます。

このように、食べ物で健康になる方法が詰まっているのが、薬膳です。薬膳は難しく考えられがちですが、実はとてもシンプル。身体を冷やす、温めるなどの食材のもつ性質と、ご自身の体質を照らし合わせて食事を考えていきます。まさに「医食同源」ですね!

食材と体質については、以下の記事に詳しくまとめてあります。合わせてお読みください。
プロが解く女性と鍼灸①【食養生】 6つのタイプ別:症状を改善する食材解説!

セルフケア④ ツボで体を活性化!

肩や首が凝っているときに押すと気持ちがいいツボは、気血が巡る経絡の上にあります。

鍼灸では、はりやお灸の熱でツボを刺激して血行を良くしたり、筋肉の緊張を緩和したりして体の調子を整えます。はりの刺激はツボだけではなく脳に伝わり、脳から全身に作用が及びます。ホルモンの調節や、自律神経の調節作用もありますので、更年期症状に沿って施術していけるのが鍼灸の魅力です。

世界が認めた東洋医学のツボ活用

ツボは世界共通ってご存じですか?

鍼灸が国際化したため、漢字ではないツボの表記とツボの標準位置が、2006年にWHO(世界保健機構)が中心になって合意されました。ツボが国際標準化されたんですね。

●ツボの表記
漢字の名前では欧米ではさぞかし使い勝手が悪かったと思います。アルファベットと数字で表記されるようになりました。本記事では後程、手の合谷と神門のツボをご紹介しますが、合谷は「LI4」、神門は「HT7」と表記されます。

●ツボの位置を標準化
正穴(せいけつ)と呼ばれる361のツボと位置を決定しています。ツボは体の左右に対象にあります、1つしかないツボと2つあるツボを合計すると、正確には670もの正穴があるのです。ちょっと驚く数字ですよね。

※ツボには国際標準化された「正穴」以外に、「奇穴」「阿是穴」があります。

鍼灸

ツボを探して、押してみよう

鍼灸サロンでは、はりやお灸を使って施術しますが、自宅では、手軽にできるツボ押しでつらい症状を緩和してみましょう。国際標準の正穴だけでも670個もあるのですから、どこか押せばツボに当たりそうですが、適当なところを押してもダメ。正しいツボの位置を確認してみてくださいね。

1)押したいツボのあるあたりを大まかに見当をつけて、親指か人差し指で押しながらツボを探します。
2)ツボは押すと「痛気持ちいい」と感じるところです。痛みは鋭い痛みではなく、圧迫した痛みです。

呼吸を数えてのツボ押しは、「無」になれるひと時!

・探したツボに指をのせて、長くたくさん息を吸いながら
・息を吐き切ると同時にツボを押し始め、5秒ツボを押します
(痛いけど気持ちいい…というのがツボの反応です。体調によって場所は多少変わりますが、ツボを感じながら行いましょう)
・息を吸いながら3秒で緩めます
・息を吐きながら5秒で押します

これを5回くらい繰り返します。ツボは体の左右対称にあります。片側が終わったら、もう片方もやってみましょう。ツボの効果と、呼吸を整えることで、気持ちが落ち着いていきます。

今すぐ押せる、手にあるツボをご紹介

手にはたくさんのツボがあります。簡単に押せて、効果の大きなツボをご紹介します。すきまタイムにツボ押しをして症状を緩和し、気持ちを楽にしてくださいね。

手の甲を見て、人差し指と親指の骨が交差するところから少し上に上がった、人差し指側。いろいろ押してみて痛きもちいいポイントが「合谷」です。

【効能】ストレス、生理痛、頭痛や目の疲れ、鼻水、歯痛、風邪のひきはじめ
万能のツボとも呼ばれます。手のツボは、会社や電車の中など、外出先でもさりげなくツボ押しできる場所。隙間時間にツボ押ししましょう。

次に、手のひらを見て、手首が曲がるところの小指側にある骨が出っ張ったところの内側が「神門」のツボです。

【効能】不安や不眠、動悸、息切れ、気持ちを緩めて緊張を解いてくれる、便秘改善

更年期の不調時には「神門」を思い出してください。息をカウントしながら、心を落ち着けて押しましょう。

肩からひじのちょうど間くらいに、肩にある三角筋の先があります。その先から少し前にあるツボが「臂臑(ひじゅ)」です。押すと痛みがあるところを探してください。

【効能】四十肩・五十肩の痛み、肩コリやストレスからくる肩の痛み、かすみ目などの眼精疲労
四十肩・五十肩は、ある日突然、痛みに気づきます。肩より上に腕が上がらない、エプロンの紐が後ろで結べないなど、痛いうえに、ちょっとした動作が不自由になってしまいます。痛みを感じたら、臂臑を押してくださいね。


「臂臑(ひじゅ)」からすこし下がったところに、「尺沢(しゃくたく)」があります。


手を軽くにぎった小指の付け根にあるのが、「後谿(こうけい)」です。

更年期に効くツボは、手以外にもたくさんあります!以下記事にもまとめていますので、参考にしてみてくださいね。
プロが解く女性と鍼灸③【閉経】 40代50代の不調を整える、おすすめのツボ7選

福原からのアドバイス

体と心を一つのものと考える東洋医学では、不調の症状をケアするのではなく、あなたの体自体をケアします。東洋医学というくくりは、大きすぎるようにも思えますが、鍼灸や漢方薬、指圧やマッサージなど、それぞれの根底に流れるのは、陰陽五行の考え方です。体内の気の循環を整え、バランスをとり、元気に日々を送れる体を作ります

鍼灸は、ツボに直接働きかけ、体の巡りを良くします。ストレスや更年期からくる、もやもやしたつらさを振り払いたいときには、ご相談くださいね。 サロンのベッドに横たわって、おしゃべりをしながら、リラックスできる時間を過ごしてください。

ツボの位置が自分でよくわからない場合にも、ぜひ一度、プロの施術を受けてみてください。ボールペンでマークしてもらうと、自宅で復習できるのでおすすめですよ!

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