東洋医学からみた生理痛 体質別の5タイプとおすすめの対策、食材

 カテゴリー:鍼灸で全身ケア
生理痛

40~50代女性のこころとからだの調律と美容はり専門、西宮・甲子園・鳴尾 美容・鍼灸サロン ハミングです。

 多くの女性が苦しむ「生理痛」。個人差はありますが、「日常生活に支障をきたすほどの痛みに悩まされている」という方も多いようです。

「生理痛」でつらいとき、あなたはどうしますか?何もせずに我慢する?それとも、市販の痛み止めを服用する?もしかしたら、生理痛を抑える目的でピルを服用している方もいらっしゃるかもしれませんね。

女性の生活は、生理とは切っても切れません。「いつものことだから」と我慢せず、快適に過ごす方法を探しましょう。今日は、東洋医学の視点からみた「生理痛」についてお伝えします。

 

目次

飲む?飲まない? 鎮痛剤

「痛い」から鎮痛剤を服用することは、間違いではありません。

ただし、鎮痛剤は痛みを緩和するためのものであって、痛みの原因を根本的に治すものではないことは理解しておきましょう。鎮痛剤には多少なりとも副作用もあります。さらに、実はほかに体に悪いところがあるのに、鎮痛剤を常に服用していたらそれに気づかない、ということも…

生理痛を治す

鍼灸師の立場からは、鎮痛剤の常用は避け、痛みが激しすぎてつらいなど、いざというときだけの服用をおすすめしたいと思います。

 

東洋医学からみた生理痛「痛むということは…」

東洋医学には「不通則痛、通則不痛(通じざれば即ち痛む、通じれば即ち痛まず)」ということばがあります。これは東洋医学のベースとなる考え方です。

「何らかの原因によって、体の気、血、水の流れが阻害されて詰まりが生じた時に痛みを感じる。流れが正常であれば、痛みは自然となくなる」という意味です。

体のどこかが痛むのならば、それは単に「体の一部分の痛み」だけではなく、「体のどこかにトラブルが起こっているシグナル」だと考えられるのです。

生理

ささいな痛みでも「いつものことだから」と放置すると、最終的には体の不調へとつながります。生理痛も同様。単に「生理だから痛む」のではなく、体内のどこかの流れが正常ではないから痛むということを理解してみてください。

 

体質別の生理痛 5パターン

痛む箇所や、ひとりひとりの体質や生活習慣によって、痛みの原因は異なります。東洋医学の観点から、生理痛の痛みの原因を5つのタイプにわけました。あなたはどのタイプでしょうか。

①  生理が遅れがちな方・生理前~1日目に痛みがある方・下腹が冷たい方

【寒湿阻滞(かんしつそたい)タイプ】

<痛みの原因>
冷たい食べ物の取りすぎによる寒冷。

<特徴>
押すと痛みが増すが、温めると痛みが和らぐ。経血の色は暗紫色で塊がある。月経初日は量が少ない

<その他の症状>
便が泥状で形がない。舌は薄い紫色、舌苔は薄い白でねっとりしている。

②   生理前に下腹部が張って痛む方

【気滞血瘀(きたいけつお)タイプ】

<痛みの原因>
ストレスなどにより、気の流れが滞り、「血瘀(血の流れが滞った状態)」が起こる。この気と血のめぐりの阻害が痛みの原因となる。

<特徴>
押すと痛みが増すのでご注意を。経血の色は暗紫色の塊がある。量は少なく、安定しない。

<その他の症状>
イライラ、怒りっぽい、胸が苦しい、胸が張って痛む。舌は暗い紫色、あるいは紫色の斑点がある。

③   下腹や下腹の両脇、腰が張って痛む方

【湿熱下注(しつねつかちゅう)タイプ】

<痛みの原因>
湿熱とは、暴飲暴食などで余分な水分が体内にたまり、そこから生じた熱がこじれたもの。それが下半身に注がれ、痛みの原因となる。

 <特徴>
押すと痛みが増すのでご注意を。経血の色は暗赤で、量が多くてねっとりしている。おりものは黄色でにおいがありねっとりしている。

<その他の症状>
尿量が少ない、便は粘っこくて便器につく・臭い。口が乾いても水をたくさん飲めない。舌色は赤、舌苔は黄色でねっとりしている。

④   生理が遅れがちな方・生理中~生理後、下腹部に鈍い痛みがある方

【気血虚寒(きけつきょかん)タイプ】

<痛みの原因>
体のエネルギーである気血が不足し、体を温める「陽気」のエネルギーが不足して、「寒」が生まれ、それが月経痛を引き起こす。また以下のような
原因もある。

①生まれつき虚弱体質で消化吸収能力が弱い場合
②他の病気にかかった後に体が弱くなった場合
③暴飲暴食などの不摂生をしたために胃腸などの消化系統の臓器が疲れて虚弱になった場合
④また抗生物質や寒性漢方薬材の使い過ぎにより、消化系統が冷えて虚弱になった場合

<特徴>
温めたり、押したりすると痛みが和らぐ。経血の色は淡紅でサラサラしており、量は少なめ。

<その他の症状>
寒がり、顔色が蒼白でつやがない。疲れやすい、無力、食欲不振。便の形がない。舌は薄いピンク、舌苔は薄い白。

⑤   生理の後半に下腹部に鈍い痛みがある方、腰がだるくめまい、耳鳴りを感じる方

【肝腎虚損(かんじんきょそん)タイプ】

<痛みの原因>
不摂生や長期的な睡眠不足、過労などにより、肝(感情や血液などをコントロールする役割をもつ)と腎(生殖や成長などをコントロールするする役割をもつ)両方のパワーが虚損し、十分な陰血(血液をつくるもと)が供給できないことが痛みの原因になる。

<特徴>
温めたり、押したりすると痛みが和らぐ。経血の色は暗く薄色。サラサラとしていて量は少ない。

<その他の症状>
不眠がある。喉が渇く、手足が熱い、イライラする。夜間に微熱がでる、神経が疲れている。舌の色は赤で形は薄い、舌の苔は少ない。

生理日記

パターンについては、「女性のための 東方養生新書(海苑社 )」を参考にしています。あなたのタイプは見つかりましたか?

 

5パターンの日常生活で気を付けるポイントとおすすめ食材

上にあげた5つのパターンはひとつひとつ、痛みの原因が異なります。だから、その解消方法もそれぞれ。次はそれぞれのタイプへの日常生活の過ごし方と、食事のアドバイスをお伝えします。

※食材については、「東方栄養新書~体質別の食生活実践マニュアル~(メディカルユーコン社)」を参考にしています。「温性食材」「寒性食材」の詳細についてはそちらを参考にしてください。

①   寒湿阻滞(かんしつそたい)タイプ

・冷たいものは避けてください。
・カイロなども利用して、できるだけ下腹部を温めましょう。

<おすすめ食材>
シナモン、グローブ、しょうが、よもぎ、アスパラガスなど、体を温める「温性食品」を摂りましょう。

<避けたほうがよい食材>
アイスクリーム、かき氷、冷蔵庫から出したばかりの飲食物、すいか、きゅうり、なす、セロリ、ごぼう、だいこん、バナナ、キウィ、なし、いちご、オレンジ、グレープフルーツ、メロン、緑茶、カキ、カニなどの「寒性食材」を避けましょう。

②   気滞血瘀(きたいけつお)タイプ

・あまり考えすぎず、平常心を保つことを心がけて。
・ヨガや気功などで体を動かしましょう。
・消化しやすい食品を選び、小食にすること。胃腸と肝臓を休めましょう。

<おすすめ食材>
だいこん、みかんの皮、マイカイ(バラの蕾)、ウコン、など

 <避けたほうがよい食材>
(唐辛子やコショウなどの)香辛料、ニンニク、たけのこなどの食物繊維が荒く消化しづらいもの、肉類、さつまいもやさといもなどのお腹がはるもの、コーラ、酢や梅などの酸味のあるもの

③   湿熱下注(しつねつかちゅう)タイプ

・暴飲暴食をやめて、脂っこいものや甘いもの、香辛料を控えめに。
・冷たいものは避け、消化しやすいものを食べましょう。
・ウォーキングや散歩をするときは、湿度の高いところ(池や川の近く)は避けてください。

<おすすめ食材>
とうがん、すいか、へちま、きゅうり、なす、しょうが、じゃがいも、とうふ、はとむぎ、やまいも、にがうり、緑茶、はも、あさりなど

<避けたほうがよい食材>
(唐辛子やカレー粉などの)香辛料、ニンニク、甘いもの、冷たいもの、生のもの、高カロリーなもの。体に余分な水分をためるもの(牛乳、乳製品、トマト、メロンなど)や、消化しにくいものを避けましょう。

④   気血虚寒(きけつきょかん)タイプ

・8時間睡眠を心がけ、早寝早起きを心がけましょう。
・午前中に1時間程度散歩することを心がけて。
・香辛料や冷たいもの、消化しにくいものを避けましょう。
・月経中は疲れることや、冷える場所での仕事は控えてください。

 <おすすめ食材>
なつめ、くり、やまいも、トマト、にんじん、りんご、もも、もち米、大豆、さといも、ピーナッツ、生姜、鶏肉、豚肉など

<避けたほうがよい食材>
だいこん、ごぼう、こんにゃく、にんにく、(唐辛子、からし、わさび、カレー粉などの)香辛料、アイスクリームやビールなどの冷たいもの

⑤   肝腎虚損(かんじんきょそん)タイプ

・十分な睡眠をとること。できるだけ夜9時~朝5~7時まで睡眠をとることをおすすめします。
・汗をかきすぎないように。
・あまり疲労をため込まず、しっかり休息をとること。
・水分を適度に取ってください。白湯が体に吸収されやすいのでおすすめです。
・過度の性交渉により男女ともに体力を消耗するので、適度にしてください。

<おすすめ食材>
黒ゴマ、レバー、くわの実、くるみ、くこの実、ぶどう、いか、あわび、なまこ、卵、鶏肉など

 <避けたほうがよい食材>
あずきやすいか、とうがん、きゅうり、さといも、だいこんなどの利尿作用のある食材、(唐辛子、からし、わさびやコショウなどの)香辛料、にんにく、(シナモン、らっきょう、にら、よもぎ、しそ、羊肉などの)大熱性食材

生理痛の食材


福原からのアドバイス

生理がつらいということは、1か月の間の1/4が過ごしにくいということ。それは女性のQOLを大きく下げてしまいます。

生理痛のケアは、痛みを緩和するだけでなく、体全体を健康にするためのものだと考えてください。「いつものことだから」と我慢せず、自分の体から送られているサインに気にとめましょう。もしかすると思いもしなかったところに原因があるかもしれません。

また、ご紹介したほかにもそれぞれの生理痛に効果的なツボもあります。ハミングでは、ご自身の体質に合った鍼灸を行っております。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。生理痛が楽になることで、皆さまの毎日が快適で楽しいものになれば幸いです!

 

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